おとぎばなし
サンジとチョッパーとナミ
あるところに おとこが一人いました
そのおとこは たいそう美しいかっこうで
作るりょうりのすべてが とても美味でありました
「ビミってなんだ?」
「すっげーウマいってこった」
そのおとこが いつものように りょうりを作っていると
とおくからやってきたという女が おとこに言いました
どうか水をわけてください とおくから一人であるいてきて
のどがからからなのです このままでは 干からびて死んでしまいます
あなたはどうも りょうりにんのようです きっと水をたくさんもっているのでしょう
おとこは女にいいました
たしかに水をもっているけれど これはしごとで使うもので 私のものではありません
私がもっているのはたったのこれっぽっちなのです
おとこはコップの半分だけ入っている水を 女に見せました
ああなんということでしょう ここまで歩いてきたというのに
女はそれだけ言うと まるで糸がきれたにんぎょうのように くたりとたおれました
おとこはふびんにおもって じぶんのもっていた のこりすくない水を
女にのませてやりました
するとどうでしょう さっきまでかおいろわるくたおれていた女は
「知ってる、女神様なんだ」
「黙って聞け、オロスぞ」
まばゆい光につつまれ おとこに言いました
あなたはとてもやさしい人です ごほうびに一つだけ ねがいごとを叶えてあげましょう
なんと女はにんげんに化けた めがみさまだったのです
おとこはみのまわりをみまわして 何をかなえてもらおうかと かんがえました
おれは格好もいいし 作るりょうりはさいこうだし
それなりにしあわせなんじゃないのだろうか
おとこがうなりながらかんがえていると めがみさまは
ねがいごとがないのなら わたしにはいくところがないので 困ってしまいます
と 泣きだしました めがみさまは 人のねがいごとをかなえることで
空にかえっていけるのです
おとこはそれはわるいことをしたと めがみさまをうちにつれて帰りました
「で、コレがナミさんだ。」
「ナミは女神なのか!?」
「そー、だから願い事を叶えると空に帰っちまうんだヨ。
お前もナミさん好きだろ?帰ってほしくねぇよな?」
「あたりまえだろ!」
「……じゃあ、わかるよな?」
「ああ!」
「チョッパーったら、この前まで誕生日プレゼントはベットで寝るって言ってたからせっかく枕もう一つ作ったのに」
「まぁ、子供の気まぐれっスからねぇー」
「そういえばサンジは何あげたの?」
「絵本。手作りの。」
「……バースデーケーキ焼いて、料理作ってまだ?……マメねー」
「こっちも必死だからな」
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