遠いかもしれない
剣ゴー
まぁ特に意味はない話。
だからっておれが無視できるものかと言えばそうでもない。
まぁどうだっていいのだけれど。
自分にとって意味のあることは一つだけで
他の全てに意味はないはずだ。
今までそうしてきたし、これからもそうだろうし、変える予定もない。
遠いところにいる。
離れているというか、次元そのものが違う感じがする。
自分が好き好んで離れたんじゃないのかという突っ込みは不可。
気に食わねぇから。
金髪のうずまき野郎が羨ましい。
金髪のうずまき野郎がアホらしい事を言う。
彼女を呼ぶ。
ひどく、憂鬱な風が吹いた気がする。
彼女が近寄って、おれに声を掛け、おれが返事をし、彼女は呆れて、素気なくどこかへ行った。
話をする。
例えばそれは下らないことでいい。
それだけで、満足する。
この船にいる連中全てが、それだけで満足する。
安心する。
遠くにいるおれでさえ、深い安堵のため息。
ここにいるから、安心する。
蜜柑の木が揺れた。
誰かに何かを言うようにして、ざわざわと揺らめいた。
風が吹く。
まるで、遠くにいるおれのために。
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