ある日
あたる
目を覚ましたらもう夜も更けていて、虫の声すらしなかった。
ぼんやりする頭をゆっくり振り向けたらラムが居た。
しばらく考えたらおれが寝ているのに頭を振り向けただけでラムが居るというのはちょっと穏やかではない。同じ布団で寝てるってことではないか。
びっくりして起き上がろうとしたが、からだが引きつって起きられなかった。
何事かと頭をめぐらして考えても頭痛がするだけでこの状況になった理由が解らない。頭を抱えてふと気が付く。
――――――服、着てない。
頭痛。
待て待て待て待てえーとえーとえーと落ち着け!そんなバカな!
体中に手を当てて確認する。大丈夫、シャツもパンツもちゃんと着とる。パジャマのズボンもちゃんと穿いてる。とりあえずはほっと一息。
しかし何でおれはこんなカッコウで寝とるんだ?しかも何で隣にラムが――――――そこまで考えてギョッとした。
まままままさかラムが裸などということはないだろうな!?
引きつる体を無理に起こして布団を剥ぐ。そこには――――――いつもと同じ虎縞ビキニ。
二度目の安堵のため息を吐いてまたも布団に突っ伏した。
とりあえず純潔は汚されてないらしい。(この際どっちの純潔がどうとかはどうでもいい)
しかしこの頭痛は一体何なんだ?
ずきずきずきずき
ああ眩暈がする、耳鳴りも――――――
とりあえずラムに布団をかけなおさねばと視線をずらすと洗面器が置いてあった。
――――――洗面器?
手をパタパタ枕周辺に這わせるとひやりと手にぶつかるものがあった。
――――――なるほど。
ラムに布団をかけなおしてもう一度目を閉じた。
明日晴れたらどっか連れてったろ・・・
・・・おれはこー見えて義理堅い男だからな・・・
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